DEC社の礎を築いた16ビット機の最終形態

MicroPDP-11/73

MicroPDP-11/73は1988年のリリースで、そのCPUはJ-11というマイクロプロセッサでした。

これはPDP-11シリーズで最上位機だったPDP-11/70のパフォ-マンスを1チップで実現したもので、MicroPDP-11/73やPDP-11/84にも使用されており、その改良版がMicroPDP-11/93、PDP-11/94にも使用され、これらは最後のそして最速のPDP-11でした。

MicroPDP-11/83はQbusのシステムで、UNIBUSを使用するPDP-11/84は双子ともいうべき存在です。

PDP-11はUNIBUS、QBUSを使うのはLSI-11だったのですが、このマイクロチップを使うようになって、MicroVAXと同じように、MicroPDP-11という呼び名に変わったようです。

この小さなコンピュータはより大型で旧式のPDP-11シリーズの後継として、リアルタイム処理分野で活躍し、工場等の製造現場や、医療関係、電気通信分野での制御系等で活用されました。

しかし、実アドレス空間しかもたない16ビットマシンであるPDP-11は、64KBという小さなプログラムしか組むことができず、より低価格なインテル社、ザイログ社、モトローラ社等のマイクロコンピュータに市場を奪われ消えていきました。

フィールドワンではそのリリースから30年経った今でも顧客の重要な業務で稼働するMicroPDP-11/83やPDP-11/94等の保守契約を頂き、守っています。それ以外にもパーコールでの修理依頼も頂いており、極めて長い間稼働し続けているPDP-11が更に長く活用頂けるよう全力を尽くしています。